TPP まず、原文から
しかも、まず、原文にあたってそれを理解してから、議論するのが
当たり前であるが、その前提が、日本政府、政党、マスメディアから
まったくでてきていない。それで賛成か反対かを議論しているのだから、
前提からして、できていない。そもそも名称の日本語訳もさまざま。
Trans-Pacific Partnership
Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement
環太平洋パートナーシップ協定
環太平洋経済連携協定
環太平洋経済協定
環太平洋連携協定
環 太平洋戦略的経済連携協定
環太平洋パートナーシップ
環太平洋パートナーシップ協定
太平洋間戦略経済連携協定
トランス・パシフィック・パートナーシップ
そして、条文の日本語訳がない。
原文は
http://www.mfat.govt.nz/downloads/trade-agreement/transpacific/main-agreement.pdfニュージーランド政府のページ。
日本語の私訳が出ているだけ。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)私訳 『目次』: 【National INtelligence agency of JApan(NINJA)】日本情報分析局
それでTPPについて議論される分野はざっと下記のようになるが、
国会やマスコミで取り上げられているのは、工業と農業だけで、
工業の立場から賛成
農業の立場から反対
とあおっているだけである。
1 首席交渉官協議
2 市場アクセス (工業)
3 市場アクセス(繊 維・衣料品)
4 市場アクセス (農業)
5 原産地規則
6 貿易円滑化
7 SPS(検疫、及びそれに付随する措置) 8 TBT(貿易上の技術的障害)
9 貿易保護
10 政府調達
11 知的財産権
12 競争政策
13 サービス(クロスボーダー)
14 サービス(電気通信)
15 サービス(一時入国)
16 サービス(金融)
17 サービス(e-commerce)
18 投資
19 環境
20 労働
21 制度的事項
22 紛争解決
23 協力
24 横断的事項特別部会(中小企業,競争,開発,規制関連協力)
すべての分野において、メリットとデメリットを出し、
そこで初めて議論が成り立つはずなのに、
そんなことはまったくないままである。
しかも、中国、韓国は参加せず、
小国同士の戦略的提携によってマーケットにおけるプレゼンスを上げることが
当初の目的で、つくられたときはシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド
の4カ国である。これに日本やアメリカが加わるのは、経済規模からも
TPPではなく、韓国のように日本とアメリカで個別に交渉したほうがよい。
TPPに入ると「関税」を撤廃するだけじゃなく、「非関税障壁」も撤廃しなくちゃならない
という点もきがかりである。関税は数字ではっきりしているが
非関税障壁なんて、いくらでも出てくる。
そのうち、日本語が非関税障壁で、英語にしろ とかなるかも。